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トコトコ名画座

「永い言い訳」 






2016年 日本
西川美和監督


想像を遥かに越えていった傑作。
この先、西川監督はどこに向かうのだろう。


「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。」


そこからの日々は、喪失の毎日ではなく、自分の心に潜む本当を確かめていくような、そんな日々。抜け殻じゃなく世間でいう普通から、ずれてしまった自分。なぜこんな風に自分は感じて、そこからそこへ行くのか?

「海よりもまだ深く」でもカメラを握った山崎さんのフィルムが写す水色が僕は好きみたい。

きっとこの映画を観たら、女性なら前髪センター分けにしたくなるだろうし、男ならちと髪のばしてママチャリでも乗ろうかと思うにちがいない。僕は小さなビストロでパテ・ド・カンパーニュを食べたいなと思った。かっこつけだけど、素直に思ったよ。


自分のことを大事にしてくれる人は決してみくびったり、手放しちゃいけない。
今まで、それを大事にしてきた人じゃなく、してきてない人間が言うから響くことば。矛盾を拾いあげるのが本当に危険なくらいに上手。でも、そう言ってしまうのはあざとい。

そして、「永い言い訳」は今にもなくなりそうな小さなものにちゃんとバトンを渡してくれる。

是枝監督の映画でもそう思ったんだけど、好演とかじゃなくて、子供たちをただそこに存在させてしまうのだ。すごいよ。


(陽)
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category: 日本

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「氷の上のふたり」 

氷の上のふたり

2014年 カナダ/イタリア
ロジャー・スポティスウッド監督

ある夜、食料を探して納屋に入り込んだ白くまが捕獲される。
白くまは麻酔銃を打たれ、自然に帰すため北極圏のレゾリュートへ移送。
納屋には、白くまの子どもが取り残されていて…。
少年ルークは、白くまの子どもを母親の元へ返すため、一人スノーモービルで旅立つ。

子供と動物。
極寒の大地。厳しい自然。
イヌイットの暮らしや生活の知恵。
丁寧なやさしい教科書のような映画。
白くまの子どもの演技(?)がすばらしい。
とってもお利口さん。

海に落ちたり、氷の上に取り残されたり、
冒険というには、大変なことは色々あるけれど、
少年と白くまの子どもは一緒に旅を続けていく。
一面氷で真っ白な風景が美しい。         (佳)

category: カナダ

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「神のゆらぎ」 

神のゆらぎ


2014年 カナダ
ダニエル・グルー監督

グザヴィエ・ドランが俳優で出演。
墜落するキューバ行きの飛行機を軸に描かれる群像劇。
時系列や、人と人とが静かに入り乱れ、終始ピンと張りつめたような緊張を感じる。

信仰とは?
生きるとは?
そのときの人生の選択、或いは決断とは?

飛び立つ飛行機は、空港のガラスに写った姿。
感情を表に出さず、見開いた大きな瞳。
映画自体に余白があって、観終わった後にいろいろと思いを巡らせる。
「神のゆらぎ」というタイトルがとてもいい。
不確かなものの中で、私たちは何かに導かれながら、生きている、のか?
未だにぼんやりと考える。
好きな映画です。         (佳)

category: カナダ

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「FAKE」 




2016年 日本
森達也監督



ゴーストライター騒動で話題となった佐村河内守氏とその妻の香さん、時々猫を追ったドキュメンタリー。

耳は聞こえてるか?曲は書けるのか?
この映画を観たところでその答えは分からない。
ただ、新垣氏側だけの意見を鵜呑みにさせるような報道を見て事実だと思っていたことを本当はどうなんだろうと考えさせてくれる。

ドキュメンタリーは真実を映つものではないし「FAKE」というタイトルからも、あっかんべーしてる森監督の姿が浮かぶ。

ただ、ご飯前に豆乳を何杯も飲んだり、日が暮れたベランダで煙草吸ったり、愛猫が可愛かったり、何でもない人の日常が本当に美しいなと。
色んな事があったけど、妻のどこまでも夫を支える姿勢がすごい。なんだか暖かい映画。


面白かったなぁ~。 (陽)

category: 日本

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「孤独のススメ」 

matterhorn
2013年 オランダ
ディーデリク・エリンゲ監督

原題「Matterhorn」(マッターホルン)で、十分良いのに。
マッターホルンという題に意味があるのに。。。
「孤独のススメ」らしい部分はぜんぜん無いのにーーー!(怒)(トコトコ杯:残念な邦題ノミネーションします。)

最近良くあるタイプのとっちらかり映画だろうと思いきや、
違いました。

壮大。
常識とか信仰とか道徳とか超えていかなきゃな。

人生にはいろいろ要素があって嘘みたいなこともあるわけで。
この映画、先の読めなさがスゴイ。
先まったく読めないけど、
観終わっての余韻が、なんか良い。
(鼎)

category: オランダ

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