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トコトコ名画座

「木靴の樹」 

木靴の樹
1978年 イタリア
エルマンノ・オルミ監督(脚本、撮影も)

19世紀末、北イタリア、ベルガモの農村、
大地主のもとで働く農民4家族の厳しい暮らしをドキュメンタリーのように記録しているかのような映画です。
出演しているのも本物の村人ということです。
3時間の長編ですが、自分で前半後半にわけて2日間で鑑賞しました。
じっくりゆっくり観ることをオススメします。
ミレーの絵画が感情を持ち本当に動いている!
すばらしかったですよー。

4家族のうちの1家の幼子ミネクは村の神父さんのすすめで、学校に行くことになる。
遠い学校まで通学するのに木靴を履いていたのだが、あるとき割れてしまって布を巻いて通学していた。
父親は地主の敷地内の木を少し切って木靴を作ってやるのだが、木は地主の所有物なので、ばれてしまい一家は厳しい罰を負うのだった・・・。
他のさまざまひとたちの群像劇みたいになっていて、木靴の話も映画全体の一部です。
酪農の牛の大切さがひしひしと感じられたり、
川で洗濯をして生計をたてている女性や、
若いふたりが結婚に至るまでのこと、そして都市部の親のいない子を養子にすると補助金がもらえる制度があったこと。
より甘いトマトを育てることに情熱をささげるおじいちゃんとか。
淡々と、傍観者のように撮影しているように見えて、(途中眠くなったりしますが、)じつはじつは見ごたえありました。
そして最後は静かにうるうるっとしました。
この時代を切り取って見せてくれた。よく作ったなー!!って。(鼎)
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category: イタリア

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「はじまりは5つ星ホテルから」 

はじまりは5つ星ホテルから
2013年 イタリア
マリア・ソーレ・トニャッティ監督

5つ星ホテルのクオリティを評価する覆面調査員の仕事をしているイレーネ。
世界中を旅しゴージャスホテルに泊まり、イレーネも何の不満もなく仕事をバリバリこなしているのだが、
40歳にもなって、結婚もせず子どもも無く将来どうするの?なんて妹に言われたり。
親友のような男友だちはいるんだけど・・。
そして、ある旅先での出来事から自分の人生を見つめ直すのだ。

実在の5つ星ホテルでの撮影とのことで、見たくなった映画。
覆面調査員の仕事ってけっこう大変なんだね。
でもそれよりも、
思いがけなく、アラフォー、イレーネのいろいろ気持ちの変化や、意外とかわいい性格だったり、
そういうところで楽しめた。
(鼎)

category: イタリア

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「四つのいのち」 

四つのいのち


2010年 イタリア/ドイツ/スイス
ミケランジェロ・フランマルティーノ監督

自然豊かな南イタリア・カラブリア地方。
人間、動物、植物、そして炭。
つながっていく命と、自然の営み。
まるでドキュメンタリーのよう。
台詞もなく、画面を行き交う人や動物を静かに見つめる。
映し出される自然。
日々の生活。暮らし。

ヤギを飼っている牧夫。
生まれてくる子ヤギ。
子ヤギが身を寄せるもみの木。
そしてもみの木は、切り倒され、村のお祭りに。
舞台は地球そのもの。
生きることと死ぬこと。
日々くり返される生活。
私たちは、こんなふうに生きている。

動物が映し出されるだけで、目で追ってしまう。
とくに、牧羊犬が大活躍!
あれって演技なのかなぁ。
ヤギがうじゃうじゃ歩き出す、それだけで面白い。
終わりまで観て、また始まりに。
内側から語りかけてくる、静謐な作品。 (佳)

category: イタリア

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「ベルトルッチの分身」 

分身


1968年 イタリア
ベルナルド・ベルトルッチ監督

ベルナルド・ベルトルッチ監督、長編3作目。
日本でソフト化もされず観ることの出来なかった作品が、45年を経て公開!
ということで、広島サロンシネマに観に行きました!
私の目当ては、主演のピエール・クレマンティ。
もう亡くなってしまっているピエール・クレマンティをスクリーンで観れるなんて。
感激!!
映画館に行ってよかった。
観ているのがすごく楽しい映画だった。

生真面目な青年ジャコブが凶暴で破壊的な殺人者という二つの人格に引き裂かれていく様を描いた映画。
ピエール・クレマンティが一人二役(一人一役?)で画面に出ずっぱり。
かなりアクの強い役だけど、その端正な顔立ちに終始うっとり。
変な役がとてもよく似合う。
ボサボサにしたちょっと伸ばしかけの髪がすてき。
鮮やかな色彩(ゴダールみたい!)、映像表現の面白さ。
ストーリーは、精神分裂を描いているとおり、かなり錯乱。
不思議系です。
今のは、どっちのジャコブ???と思いながら。
ただ一生懸命で生真面目なジャコブの不器用さは何だか伝わってくる。
もう一人の自分が現れる影のシーンは、表現の若々しさが感じられて何だか好き。
自分の中に、別の人格がいて、どれが本当の自分なのか、
どれももちろん自分なのか、理想と現実のギャップだったり、
世の中分からないことだらけだったり、その境界線はあいまい。
めちゃくちゃだけど、シュールな映像はとても楽しかった。
積み上げられた本、センスよく配置された家具、
難しいながらもワクワクする楽しさも感じる映画。
この映画のピエール・クレマンティが1番しっくりくるかも。  (佳)

category: イタリア

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「革命前夜」 

革命前夜


1964年 イタリア
ベルナルド・ベルトルッチ監督

青春映画に属するのかな。
左翼思想にとりつかれたブルジョワ階級の青年ファブリツィオ。
親友の突然の死(自殺?)、年若い伯母との許されない恋。
苦悩しながら模索する姿を描いた映画。

ゴダール監督に心酔していたということもあり、映像はヌーヴェル・ヴァーグっぽい。
突然鳴り響く音楽、即興演出、自由なカメラ…。
若き伯母ジーナ(アドリアーナ・アスティ)の美しさにそれはそれはうっとりする。
神経症気味という設定もあるのだけど、物憂げな感じが色っぽい。
長編2作目で、ベルトルッチ監督22歳のときの映画とのこと。
アドリアーナ・アスティの撮り方がすごいなぁと思う。
ファブリツィオと初めて一夜を共にするシーン。
すごく大人な撮り方。官能的。
きれいな人はずっと見ていたい。溜息ものです。

映画としては、ちょっと小難しい気も。
だけど、「暗殺の森」のような徹底的に計算された美しさとは別の、
若くて自由な美しさが随所に感じられる瑞々しい映画。
買い物をする二人の楽しそうな姿、始まりのドキドキもあって好きだなぁ。 (佳)

category: イタリア

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