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トコトコ名画座

「追想」 



1975年 フランス
ロベール・アンリコ監督

舞台はナチス占領下のフランス。町の医師であるジュリアン。美しい妻、クララ、娘のフロランス。

ナチスの軍靴の近づきにほのかな危険を感じたジュリアンは、クララとフロランスを以前暮らしていた田舎の古城に家族を非難させる。数日後、古城を訪れたジュリアンの目に広がっていたのは・・・。

人助けをしていた医師の手が復讐のための手に変わる。そこからの展開がアクションだけなら、こうも心を動かされないだろう。消したいのに入り込んでくる追想。やさしい日々。幸せに見える夫婦も妻にどことなく劣等感を感じていたこと。織り込まれてくる日々の追想は些細なものばかり。映画だと分かっていてもしんどい。当時、この映画がトラウマなった人もいるらしい。

監督は冒険者たちのロベール・アンリコ。
映画に時代は関係ないんだって改めて感じた一本。(陽)
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category: フランス

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「ふがいない僕は空を見た」 

ふがいない僕は空を見た


2012年 日本
タナダユキ監督

すごくいい映画。
いや、でも一般的にいい映画ではないかもしれないけど…。
でもすごーく心に響いたし、ちょっと放心してしまった。
タナダユキ監督の映画はちょこちょこ観ているけど、この映画が1番好きだなぁ。
それからやっぱりタナダユキ監督はいい!と実感。

高校生の卓巳とコスプレのセックスをしている主婦あんず。
あんずの日常は、マザコンの夫と、孫のプレッシャーをかけまくる義母(←強烈)。
卓巳は、助産婦の母のもと、学校から帰ると出産を手伝ったりする日々。
父親は、どうやら不在。
ある日2人の写真がばら撒かれ、友人や家族に知られてしまう…。

主人公はあんずと卓巳、それから卓巳の友達の福田。
福田の日常は、認知症の祖母とたまにお金を取りに帰ってくる母親。
学校とアルバイトの日々…。
誰しも決して幸せではなく、どんよりと苦悩の中でもがいている。
‘性’と‘生’がすごくストレートに表現されていてドキリとする。
この潔さは男性には撮れないかもー。
いやらしいシーンをきちんといやらしく撮るタナダユキ監督は素敵。
時おり映し出される青い空。
それでもしっかりと生きていく、とても清々しい映画だなぁと思った。
ふがいない私も思わず空を見上げたくなったよ。  (佳)

category: 日本

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「ウィッカーマン」 

Wicker man
1973 イギリス
ロビン・ハーディ監督


DVDジャケットのこの立ち姿が妙に良いので借りてみた。
ウィッカーマンって何の意味かな?ま、見ればわかるかな?と下調べもせずに・・・。

調べれば良かったー!
最後めちゃびっくりしたー!
そうだね、写真よく見れば中に誰か入ってる。。。

ウィッカーマンとは「人型の編み細工」の意味で、
古代宗教ドルイト教のいけにえの儀式のものだった!
中に人間や家畜などをつめてから燃やす(ひえー!!)

鼎の脳内中継で映画のご説明をしましょう。
①始まり方はフォークロア。何か民俗学の映画かな?
②不思議なミュージカルか何か?(歌詞も踊りも独得)
③えー!全裸!
④みんながうそついてる?(リアルな動物お面が自分好みです。)
⑤まじめなだけなのにぃ。
⑥6本の剣シーンが、きゃー!
⑦え?
⑧え?
⑨ガーン!

異教とは何か。
キリスト教のおしつけ的な教えのほうが異教か。

でも何かを何でもいいから狂信的に信じるのも、ある意味救われるかも。と思った。
狂ったほうがいいのかもと。       (鼎)

category: イギリス

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「エッセンシャル・キリング」 



2010年 ポーランド
イエジー・スコリモフスキー 監督

アメリカ兵に捕らわれたアラブ兵の逃亡劇。アラブ兵を演じるのはヴィンセント・ギャロ。ただひたすら逃げる。

敵の爆撃で難聴になっても残された感覚で逃げる。生きるための瞬時の知恵。命をつなぐためには土蟻を、樹皮さえ食す。冷え冷えの大地を素足同然でゆく。

運も味方して、かろうじて辿り着いた灯り。女性の作ってくれる暖かそうなスープ。広大な自然は地元の三瓶山を観ているよう。

エンターテイメント性の欠落した映画は何のためにあるのだろう。ある意味ではまさしく映画な
'エッセンシャル・キリング'

(陽)

category: ポーランド

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「灼熱の肌」 

灼熱の肌


2011年 フランス
フィリップ・ガレル監督

ねっとり重い愛の映画。
パリ。
駆け出しの俳優ポールは、映画の撮影現場で同じく駆け出しの女優エリザベートと知り合い、付き合い始める。
友人で画家のフレデリックに招待され、2人はローマのフレデリックの家へ。
フレデリックの妻はイタリアの有名女優アンジェル。
ポールとエリザベートは気後れしながらも滞在するが…。

華やかで優雅な生活を送る2人との対比。
でも描かれているのは、愛する人ときちんと向き合っているかどうかということの対比。
アンジェルが踊るシーンがとても好き。
音楽とともに、周りをみんなが囲むように踊っていく。
このシーンの楽しさ。素晴らしさといったら!
どんより重い映画の中で、とてもフレッシュ。
好きだなぁ。
(でも好きなのは濃厚なアンジェルではなくてまわりのダンサーたちの軽快さ。)
この時、フレデリックが一緒に踊るような人であったら、
または、美しい妻を誇り高く見守る人であったら、
…きっと違っていたのだろうな。

人生は些細なことの積み重ね。
慎ましい2人は、地に足をつけて歩いている。
こういうことが‘現実’の幸せなんだろうなぁ。
それにしても!
フレデリック役のルイ・ガレル(監督の息子)。
「美しいひと」で観たときは、とっても端正だったけど、何だか崩れちゃった…。 (佳)

category: フランス

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「テイク・ディス・ワルツ」 

テイク・ディス・ワルツ


2011年 カナダ
サラ・ポーリー監督

うわー。
これは、何だか困った映画。
ドキドキというか、何とも言えない空気をまとった映画です。
女子のみんなで、どう感じたか、自分ならどうするか、ちょっと語り合いたいな。

フリーライターのマーゴは、チキン料理専門のレシピ本を作っているルーと仲良く暮す毎日。
結婚5年目。
よく笑い、いつもじゃれ合う仲良しな2人。
ある日、取材先で偶然知り合ったダニエル。
帰りの飛行機も一緒。
よくよく聞いてみると家はすぐそばの斜め向かい!
その日からマーゴの日々は、揺れ動くことになってしまう…。

優しくていい人なんだけど、ちょっと子供っぽいルー。
スラッとして格好いい、人力車で生計を立てながら絵を描くアーティスト肌のダニエル。
惹かれあう2人。
どんどん縮まっていく距離。葛藤。
最後まで観て、ふわーんとした感じが好きだなぁと思っていたはじまりが、実は重いはじまりだったと気づく。
おだやかな幸せ。
だけではダメなのかな、ヒトって。
難しいなぁ。
刺激的な映画でした。 (佳)

category: カナダ

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「殺人の追憶」 

殺人の追憶

2003年 韓国
ポン・ジュノ監督

去年暮れから今年前半は淡々とした映画を好んで観ていたけど、ここにきて殺人モードに火が。ヤバ。立て続けに見返した市川崑の金田一シリーズ、殺人の追憶が素晴らしい。どちらも怪奇的な殺人。ただ犯人は普通の顔した普通の人なんだろうなっていう。そこのギャップが面白い。

この「殺人の追憶」 韓国の小さな村にて実際に起きた未解決連続殺人事件がベースになってる。犯人は最後まで特定できない。雨の日の夜、、ラジオから流れるある曲、柔らかい手、DNA。曖昧な手がかりに悪戦苦闘の刑事。あらすじを分かっていて冷めた気持ちで観ても気付いたら夢中。ポン・ジュノの思うつぼだ。この映画を見て思ったのは人のことを分からないってことは救いだってこと。

同監督が撮った「母なる証明」という映画も傑作。撮ってることはいつも絶望なのになぜだか希望がわいてくる。

何となく歪んでしまった人にも毎日が楽しくて仕方ない人にも至福の時間を約束してくれる。ハラハラドキドキの映画は見返さないことが多いけど、ポン・ジュノの映画は何度も見てしまう。(陽)

category: 韓国

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